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千葉県佐原の人、伊能忠敬は成功した事業家でした。隠居後は安楽に過ごしてもよかったのですが、一念発起して暦学天文の勉強をはじめ、当時不明だった地球の大きさ、つまり緯度1度の距離の計測を意図します。当時北海道周辺にはロシア船が出没し、騒然としていましたから、北海道の正確な地図を製作するという目的もありました。
 幕府からの補助金は僅かでしたから、第一次測量は伊能忠敬の強い意志により殆ど自費で実行されたものです。旅先への幕府の指示も不徹底で、沿道から十分な支援は得られませんでした。ニシベツ到着は陰暦の8月7日、現在の暦では9月25日です。いまと同じに鮭漁の最中でしたので、人手が足りないため応援を断られ、行きたかったネムロへの測量を断念して、ここから引き返しました。
 最終目的地には行けませんでしたが、第一次測量の地図の出来栄えは良く、幕府は感心しました。第二次では幕府勘定奉行から先触れが出され、第三次以降は正式な幕府公用旅行になりました。苦難に耐えて第一次測量を成功させたことが、全国測量への大きな途を拓いたといえます。その意味で、この地は伊能測量の聖地ともいうべき場所でしょう。

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